Movable Type 7の案件を何件か対応して上での所感

Movable Type 7がリリースされてしばらくはまだ6の案件が多かったり、PowerCMSの案件が多かったりとなかなか触れることが出来ずに居ましたが今年は割と多くの案件に7を導入することが出来ました。

CMSの実装をメインとしつつも、最近は案件の初期から関わり要件定義やCMS設計、レクチャーまで幅広く関わっている私の視点で感じたことを書いてみたいと思います。

コンテンツタイプ、カテゴリセットはやはり素敵!

MT7で搭載された機能といえばやはりコンテンツタイプとカテゴリセットが大きなところだと思います。 これらが導入されたことで今まで記事とウェブページを駆使して何とかCMSとして使っていた部分が解消し、 やっと頭の中で描いた設計がそのまま落とし込めるようになったと感じています。素敵!

構築サイドとしては今まで色々な書き方があったカスタムフィールドのシンタックスに比べると、 タグ数もだいぶ少なくなってこれから書き始める方にはすごく分かりやすいと思います。

またこの変化は構築サイドだけではなく、実際に運用するクライアントさんの受けもすごく良く、 これまではレクチャーする際に、「記事?」、「ウェブページ?」とはてなが頭に一杯浮かんでしまって 理解の障害となっていた部分が無くなり、すごく伝わりづらくなったように感じています。

子サイト割(ブログ割)はやっぱり今でも必要

MT7が出た当初のMTDDCでコンテンツタイプが実装されたからには多くのサイトが 1サイトで完結できるだろうと言われていました。実際にそのように作られている方も多く居るかも しれません。権限はコンテンツごとに設定できるので一見...大丈夫そうです。

ただ、私は今年の案件でもサイト割を行った設計を続けてきました。 理由としては現状のMT7だとブログ割をしないとアセットの保存先が 分けられないからです。

小さなサイトではそこまで問題にならないのかもしれませんが、ページ数が 数百、数千となってくるとそうはいきません。平均値ですがページ数の10倍 ぐらいのアセットは登録されるため、100ページあった場合、1000個のアセットが 1フォルダの中に格納されることになってしまいます。

他のCMSではコンテンツフィールド単位でファイルのアップロード先が設定できるように なっているのでMT7も将来的にそのようになると良いなと思います。

標準機能では足りないところは柔軟にプラグインで補完を

MT7ではコンテンツタイプ、カテゴリセットが追加されたことでCMSとしてかなり使いやすく なったことは先に触れました。ただやはり案件で求められる要件は様々なため、なかなか 標準機能のみで対応することが難しいです。

その代わり、MT7には多くの信頼できるプラグインが存在します。 そしてMTのプラグインはそれぞれが機能的に独立していて組み合わせても 問題が起きづらいことが特徴としてあります。

はじめから沢山の機能が詰まったCMSを使うのも良いですが、 この利点を生かして案件によって必要なものを選択していくのが MT7を上手く使っていくコツだと思います。

私が愛用しているプラグインを何個かご紹介します。

MTAppjQuery 2

管理画面のカスタマイズの定番。入れなかった案件は1つも無いです。

CheckRelease

承認機能を付加してくれるプラグイン。 MT7は差し替え版の作成も行えないので承認機能がいらなくても 差し替え版を作るだけのためにワークフローパックを買うのもあり。

SpecificCategory

idやlabelを渡すと特定のカテゴリ・フォルダのコンテキストを生成してくれるプラグイン。 手放せない。

QuickRebuild

システム全体のサイトをまとめて再構築できるプラグイン。

PageBute

ページ送りを実装できるプラグイン。

ObjectLoop

MTObjectで作られているものなら、何でも取り出せるプラグイン。 いざって時にすごく頼りになる。おそらくコンテンツタイプ非対応。

RebuildFilter

このフィールドに入力があるときはページを出力したくない、という場合に。 コンテンツタイプ非対応。

EnableAssetOverSystem

システムレベルで画像・ファイルなどのカスタムフィールドを作ることが出来るようになるプラグイン。

DefaultEPPrefs

サイトごとの設定をテーマに含めることができるプラグイン。 全般設定や投稿設定を細々と触りたい人にとってはとても便利な一品。手放せない。

PowerSync

コンテンツを別ディレクトリ、別サーバに配信をしてくれるプラグイン。 1ファイルから細かく選択できます。 PowerCMSの時から何度も使っているため動作に安心感があります。 類似プラグインとしては Uploader などがあります。

...まだまだプラグインがあったはずですが手元に開発環境が無いので 覚えているものだけ列挙しました。また思い出したら追記します。


こんな感じで今年も一杯MTを使いましたし、来年も多分使うのだと思います。

今年はMTが向いていない案件の相談も多く貰うことが多かったので他のCMSへの浮気も していますが、私はやっぱりMTが好きで、私の軸足はやっぱりMTにあるんだなと思います。

(MTをやる中で管理画面をカスタマイズするためにjQueryを覚えてjsを書けるようになったり、設計の基本的な考えが身についたりと私のスキルセットの多くはMTから派生しているなーと思うので)

最近シックス・アパートさんはすっかり .net に夢中(のように見える)ので、 アップデートのペースが低くて少し心配ですが、リビジョン、承認、アセット管理強化など 使う人がもっと便利になる機能を今後もリリースしていって貰えたら嬉しいなと思います。