MTDDC Meetup TOKYO 2018 に参加してみて思ったこと

今思えばAdvent Calendarより先に書くのはこっちだったと思いつつ、遅ればせながらMTDDC Meetup TOKYO 2018に参加して思ったことをメモしておきます。

選択したセッション

今回はマルチトラック型のセミナーだったので、その中から下記のセッションを選択しました。 エンジニアとしては「2018年の今時のCMSを一から書いたらこうなった」、テクニカルディレクターとしては「事例から見るエンタープライズ向けのMovable Type 7の活用・構築のポイント(仮)」が聞いていて楽しかったです。

  • Movable Type の最新動向と今後のロードマップ(基調講演)
  • Movable Type 7 の管理画面のあと一歩な点をなくす!MTAppjQuery 2 で実現する本当に使いやすいCMS
  • 2018年の今時のCMSを一から書いたらこうなった
  • 事例から見るエンタープライズ向けのMovable Type 7の活用・構築のポイント(仮)
  • Movable Typeビジネス15年目での葛藤!
  • 実践 Movable Type 7

参加してみて気になったところ

Movable Type 7 で設計の考え方は大きく変わる

Movable Type 7ではコンテンツタイプ、カテゴリグループ、ブロックエディタといった 新しい概念が追加されることでこれまでは出来なかったデータの管理が可能となり、 これまでの違う設計方法がスタンダードとなりそうです。

「実践 Movable Type 7」では、これまでの細かなブログを割る設計ではなく、コンテンツタイプを使用した1サイト完結型を推奨されていました。

ただ、現状のMovable Type 7 の作りではコンテンツタイプごとにアセットの管理を分けることができないため、ある一定の規模を超えるとやはりブログ分けは必須だと感じました。その際にコンテンツデータがブログ間で跨げないことが問題になってきますがそこは現状だとMTAppjQuery2等で乗り切るしかないのかもしれません。

製品ラインナップに変化があった

これまで、中規模まではMovable Type、大規模はPowerCMSと 住み分けがされていたものの、PowerCMSが独自路線に進むことを 発表し、シックス・アパート社の製品ラインナップから消えました。

そんな中、今回のMTDDCではスカイアーク社より「Movable Type Premium」という新製品の発表がありました。

もし仮に、今後も Movable Type を制作の軸に据える場合に、案件規模に応じてどのような組み合わせで提案をするのか、検討する必要がありそうです。

あくまで個人の意見ですが、MTのコアがあって必要な機能をプラグインで拡充できる良さを活かすことを考えると、すべてが兼ね備えられた「Movable Type Premium」よりは必要な機能のプラグインだけを独自で組み合わせて使う方向性が有力かなーと思っています。

セミナーメモ

Movable Type 7 の管理画面のあと一歩な点をなくす!MTAppjQuery 2 で実現する本当に使いやすいCMS

  • Movable Type 7 向けの MTAppjQuery 2
  • Movable Type 7の弱いところを補填し、さらに使いやすく
  • 管理画面をカスタマイズするための基盤

2018年の今時のCMSを一から書いたらこうなった

  • 全く新しいCMS、「PowerCMS X」
  • MTにしてもWPにしても長く続いているプロダクトな分、コードが老朽化している
  • 最新の技術で1からCMSを作り直した
  • フレームワークから手作り
  • 静的・動的、両対応
  • 非常に高速に動作する
  • MTと違い1からデータベースを設計していくような構築
  • 作業エリアとしてのワークスペースをサイト構造とは別に権限分けのために作成することが可能
  • 全部のファイルをデータベースで管理することでゴミファイルが生まれない
  • 日時指定のサイト全体のプレビューが可能
  • サーバ配信機能も将来的に追加予定
  • プラグインはPHPで作ることができる
  • 11月中にリリース予定

事例から見るエンタープライズ向けのMovable Type 7の活用・構築のポイント(仮)

  • 完全静的化のサイトが増えてきている(セキュリティ面を考慮)
    • 動的要素は外部サービス化(お問い合わせ サイト内検索、IRサービス、レコメンドエンジンなど)
    • 今は意外にJavascriptで解決できる(データ連携部分はAPIに逃すなど)
  • +1で問題を解決する
    • 事例:大規模CMS+1 ニュースだけMTで管理する
    • 事例:ECとの+1 ページ制作部分はMTで(データだけはAPIで)
  • MovableType7への移行は想定より早く進んでいる
    • コンテンツタイプとブロックエディタの追加が大きい
    • コンテンツタイプでより連携しやすく
    • カスタムフィールドの山からブロックエディタへの移行が進む
  • PR: 3rd Focusが販売している「SmartSyncPack」の紹介
    • エンタープライズ向けにMTプラグインを最低限必要なものをまとめたパッケージ
    • 配信機能にオリジナルのカスタマイズを加える予定
    • 3月ぐらいにはこなれてくる予定

実践 Movable Type 7

  • Movable Type 7.1 と Advancedはリリース延期(年内リリースを目指す)
  • MT7はContentsHubPlatformへ
  • MT7の3つの核
    • コンテンツタイプ
    • カテゴリセット
    • ブロックエディタ
  • MT7での設計ポイント
    • コンテンツの役割でサイトを分ける、基本的には1サイトあればいい
    • コンテンツタイプで分ける
    • 情報の種類ごとにコンテンツタイプを作る、構成されている情報ごとにコンテンツフィールドを作る
    • 同じ分類であればカテゴリセットをコンテンツタイプ間で共有できる