WCAN 2014 Summer メモ:セッション3. 今、Webクリエーターに必要な5 MOST!
最後に3つ目、株式会社アンティー・ファクトリー 中川 直樹さんのお話。
このセッションは中川さんの話が聞ける!というだけで楽しみにしていました。
2012年のWCANで話を聞いたのが最後ですが、その時に心にささる 言葉が多くてそれからずっとファンです。
今回の話も特定の業種に限定した話ではなく、Web制作者としてこの先生き残る ためには、もっと良くするにはどうしたら良いのかといった内容が多くありました。
私自身はまだまだ業界6年目の新米ですが、一番最初にWeb制作をはじめたころと 比べてみても仕事の内容は変わってきたと感じています。
要求されるものが高度になってきているのに制作の単価は下がる一方で、 「割に合わないな」と感じるときもあります。
言われるがままにWebサイトを作れば良かった時代は終わって、Webサイトも ある程度行き渡っている中で、生き残るのに必要なのはやっぱり差別化なのかなと感じています。
差別化はデザイン、テクニカル・ディレクションといった特定のものだけではありません。
世間で今求められることを考えながら、自分のできることを見直して、その中で使えるパーツを かき集めて自分をブランディングすることが必要です。
中川さんはセミナーの中で「自分はこれから20年、自分より若い子と戦わないといけない」という話がありました。
はじめは言葉の通り受け取って、自分はこんなベテランの人と戦っていかないのか... 辛いわーと思っていたのですが、よく考えてみると、
その戦うということは特定の技術・スキルで面と向かって戦うことを指しているわけではなく、 自分のことを知った上で、「今の年齢・立場、すべてを使って、一番有利な場所・条件で戦う」ということなのかなと感じました。
歳をとることで得るもの、失うものはあります。
まだ先は長いですが、自分は後45年(!)は好きなことをして仕事をしていきたいと思っています。
そのためにも、今の自分ができることをかき集めながら、向いていること、やるべきことを 常に考えながら、今を生きていきたいと思います。
アウトライン
2020年「東京オリンピック」後も、この業界で生き抜くために大切なこととは?
テクノロジー、セオリー、テクニックも重要ですが、これから先の世の中を考えると、Webクリエーターとして、それ以上に見据えておかなくてはいけないことがあります。
ただ、なんとなく、かっこいい、それらしいモノをデザインしているだけで、この先も生き残れる自信ありますか?
- Webデザインの定義を知る
- 企業、ブランドと消費者動向の関係
- ウェアラブル・デバイス、未来の意味すること
- テクノロジーの行く末を見定める
- 自分自身をブランディングする
今年45歳になる僕がWebクリエーターとして、あと20年先まで働くことを前提に今、思っていることを伝えたいと思います。
メモ
- 仕事(世の中)の仕組みと「自分の仕事人生」を客観視すること「ものごとの考え方・捉え方を整理すること」
- Webデザインは問題解決のためのソリューション
- 安易にWebページ・アプリをつくることが本質ではない
- ソリューション=問題解決に加味する3つのこと
- クオリティ・コントロール(性能+デザイン)
- ブランド価値(イメージ)の向上
- 共感(ユーザビリティ・ホスピタリティ)を得ること
- ソリューションの基本概念
- 売り手発想より買い手発想のアドバイスができること
- ヒューマンウェア思考
- 現状の気付き、時代の先読み
- クリエイティブを共有できる言葉を考える
- イノベーティブ・次世代のスタンダードを作る
- 異質なもの同士がうまく融合して生まれる仕組み(偶然の産物)
- 次世代のスタンダード・ライフサイクルになる
- 企業・ブランドと消費者動向の関係
- 商品選択決定の5段階のフェーズ
- 値段
- 性能
- デザイン
- ブランド
- 共感
- 差別化するにはユーザの共感を得ることが大事
- 難易度は一番高いが深層心理へのリーチ度が高くなる
- (ブランドに)特別感があると価値を超えた評価がされる
- 成熟と変化
- 大量消費から吟味消費への変化
- 技術・発展の頭打ちによって無くなる格差
- 伝達、情報の広がりによるスピードの加速化
- 需要予測以上に寿命予測(いつまで使われるか)が重要になる
- 比較価値(相対評価)から創造価値へのシフト
- 付加機能争いは単なる消耗戦になり製品の決定的な魅力にはならない
- 商品選択決定の5段階のフェーズ
- ITサービス・Web制作においてはどうか?
- ウェアラブル・デバイス、未来の意味すること
- 人の習慣を変えることが新しいビジネスのカギになる
- ウェアラブルデバイスに求められること
- ユニバーサルであること
- 個性的(ファッション性)が高いこと
- IT・Webにおける提言
- 形態と機能は柔軟性をもって従う(中川さんの言葉)
- ITはテクノロジーであり、必ずしも産業ではないと考える
- ITは生活を豊かに出来たか?→豊かさを壊した部分もある
- 大胆な発想の転換が常に次の時代の新しい価値観を創造する
- 固定観念の脱却→新たなるライフサイクルの提案
- IT業界以外の人との交流が大事
- ITをどうやって活用するか
- 自分自身のブランディング
- 職業・専門能力と管理能力
- いずれも体力ベースに成り立っている
- 体力のピークは30代前半
- 職業・専門能力のピークは30代前半〜30代後半
- プロジェクト管理、人の教育、チームビルディング能力のピークは40代半ばから50代前半
- 職業・専門能力の対外的な信頼度は30代半ば〜40代にかけて上がっていく
- 人間性を含めた総合力・信頼度は歳を重ねるごとに上がっていく
- 年齢によって比重を置くところを変えることで差別化ができる?
- 職業・専門能力と管理能力
- Web業界できちんと生き抜くために大切にしたい6つのセンス
- 自分自身をデザイン(実用性と優位性の認識)
- 自分自身の物語(豊かな文脈を意識したストーリーテリング)
- 時代、世間との調和(時代の先読み、シナリオプランニング、分析力、総合力)
- 共感の意識(周囲の人たちの立場、状況に置き換えられる能力)
- 遊び心を持ち続ける(感性を高める習慣を持つ)
- 生きがい(人生の目的、精神の充足、幸福とは何かを考える)